2002年2月 奈良・大阪への旅 (1)
暫定公開版

今回の旅の主目的は10日(日)の夜に大阪で開かれる某チャットサイトのオフ会に参加すること、そして5月に廃止される事が決まっている和歌山県の南海和歌山港線の末端区間の終着駅「水軒」を訪ねることでした。
大阪行きの前に名古屋から近鉄で室生寺、吉野、飛鳥を回って奈良に1泊しました。翌日はバスで柳生を訪問してからケーブルカーを乗り継いで生駒山に登って大阪に向かいました。

行程の概要

詳細な行動記録

1〜2日目 2月8日(金)〜9日(土)

夜行バスで名古屋経由奈良へ移動

夜東京駅八重洲口からJR東海バスの夜行便「青春ドリーム名古屋号」で名古屋に向かいます。交通関係については本稿の後半で詳しく述べます。

名古屋〜室生寺

朝6時過ぎ名古屋に着き、「3・3・SUNフリーきっぷ ワイド」を購入して近鉄の急行で伊勢中川経由奈良に向かいます。途中で各駅停車に乗換え、室生寺口大野で下車します。田舎の小さな駅ですが、駅前に奈良交通バスの操車場と事務所があります。

メインの目的地は室生寺ですが、室生寺方面行きのバスの発車まで時間があるのでその間に駅から歩いてゆける大野寺を拝観します。山門には人がおらず、拝観料を箱に入れて山内に入ります。こぢんまりしたお寺ですが川の対岸に大きな磨崖仏があり、それを拝むためのお堂があります。お堂といっても「枠」だけで前後の壁がありません。正面から「枠」越しに対岸の磨崖仏を拝むわけです。

大野寺前からバスで室生寺に向かいます。険しい山に造られ、密教の修行の場として知られた寺です。山門を入り金堂を過ぎて階段を上ると有名な五重塔です。この塔は1998年に台風による倒木の直撃で大きな打撃を受けましたが、すっかり修復されていました。帰りのバスまであまり時間が無いので急ぎ足で奥の院まで登ります。奥の院に至る道は杉の巨木がうっそうと茂り、山岳修行の場に相応しい雰囲気を出しています。奥の院の前庭を掃除している僧に会釈して参拝します。本当はもっとゆっくりしていたかったのですが、帰りのバスの時間が迫っているので参拝後慌ただしく来た道を降り、時計と相談しながら金堂の仏様を拝んで山門を出ます。門前の商店の前を少し急ぎ足でなんとかバスの時刻に間に合ってバス停に着きます。

程なくやってきたバスで室生寺口大野に戻り、再び近鉄で大和八木へ向かいます。八木で橿原神宮行きに乗り換えます。橿原神宮は京都方面から来る線と大阪からの線が接続する駅です。吉野方面の電車はすべて大阪方面から来るもので、京都、奈良方面からの利用者はこの駅で乗換が必要です。乗換の間合いを利用して構内の食堂で昼食にします。

室生寺公式サイト http://www.murouji.or.jp/

吉野へ

昼食後再び電車に乗り吉野駅へ。駅前から吉野山に登る道を探したのですが、つづれ折りの自動車道しか見つかりませんでした。車道を延々と歩くのも嫌だったのでロープウエイで山上駅まで行くことにしました。ロープウエイを降りてから土産物屋の並ぶ道を歩いて蔵王堂を拝観します。蔵王堂の正式の名前は「金峯山修験本宗総本山 金峯山寺(きんぷせんじ)」で、「寺」という字が付いていますが仏教の寺院ではなく修験道の本山です。
金峯山寺 http://www.kinpusen.or.jp/

東南院というお寺の庭を見てから金峰神社下まで歩きます。そろそろ歩き疲れてきたので金峰神社は行かず山を下りる事にします。山上はロープウエイ会社の運行するバスの路線が通っているのですが、冬の間は全て運休で、全て歩くしかありませんでした。山上駅から吉野駅方面に降りる歩道を発見しましたが、往復券を買ってしまっていたのでロープウエイで下山します。電車は30分おきなので発車までしばし駅前の土産物店などを覗いて過ごします。天武天皇が隠遁生活を送った「宮滝」にも興味があり、是非行ってみたいと思っていますが、残念ながら時間の都合で今回は割愛しました。

飛鳥で途中下車〜高松塚壁画館

再び近鉄電車で奈良方面に向かいますが、夕暮れまでまだ少し時間があるので飛鳥駅で下車します。飛鳥寺などがある明日香村中心部まで行くには時間が足りないので、徒歩で行ける高松塚古墳を見学することにします。閉館時刻まで壁画館内の復元壁画などの展示物を見学し、その後しばらく古墳周囲を散策しました。

2月になって年の初め頃と比べるとだいぶ日が長くなった上、関西は関東よりも西にあるためいくらか日の暮れるのが遅いこともあって暗くなるまではまだ少し時間があります。古墳の周辺は歴史公園として整備されていますが、周辺は田畑で、農家の作業小屋などが点々とみられます。遺跡公園の整備で農地を取り上げられた農家の不満らしき物が書かれた看板が目に入りました。高松塚に限らず飛鳥周辺では色々な場所で遺跡や文化財が見つかり、そこに住んでいる人の生活が制限されてしまうため、行政も住民もいろいろ苦労が多いと聞いています。無人販売所でネット入りのみかんを購入してから飛鳥駅に戻り、近鉄で新大宮まで向かいます。この日は駅前のスーパーホテルに宿泊します。宿に帰って食べた明日香のみかん、とても甘くて美味でした。

3日目 2月10日(日)

柳生の里は雪の中

翌日は早起きして近鉄奈良からバスで柳生へ向かいます。とにかく寒いのですがバスは混雑して、ハイキング姿の人などかなりの立ち客も居ます。途中車窓に雪がちらついているのが見えます。柳生の中心部を少し外れた停留所で下車し、徒歩で中心部と思われるところに戻ります。家老屋敷や柳生家菩提寺、正木坂道場などを見学して再びバスで奈良駅に戻ります。歩いているうちにだんだん雪が激しくなり、バスに乗る頃には柳生の里は5cmほどの積雪ですっかり雪化粧でした。

生駒山から雪の奈良盆地を眺望

近鉄電車で大阪に向かう途中、生駒で一度途中下車します。駅前からケーブル線に乗り換えて山頂まで行きます。山上から見る奈良盆地はすっかり雪化粧でした。ケーブルで下山後、駅構内の店で遅い昼食をとり大阪へ。一度船場のホテルにチェックインしてから京橋で今回の主目的である飲み会に参加します。2次会は近くでカラオケの後地下鉄の終電で船場の宿へ戻ります。

4日目 2月11日(月・祝日)

水軒駅

11日は朝早く宿を出て南海電鉄で和歌山県の水軒というところまで往復します。この駅は1日2往復しか電車が来ないのですが、ついにこの5月で廃止になります。鉄道ファンとしては廃止が決まったというニュースを聞くと、別に用はなくても出来ることならその前に一度乗っておこうと言う気持ちになります。

天王寺で聖徳太子展

帰りの電車の中の広告で今日がちょうど「聖徳太子展」最終日であることを知りました。幸い、帰りのバスまで僅かですが時間の余裕があるようなのでJR天王寺駅へ向かいます。改札を出たところにテーブルを出してチケットを販売していたので購入しました。駅で販売している券は会期中でも前売り料金でした。前方に通天閣を見ながら市立美術館へ行ってみると、最終日だけに入口から激しい混雑でした。時間が限られているのでゆっくり人がとぎれるのを待って展示ケースに近づくことも出来ず、展示品はほとんど人の肩越しで観覧ただけでした。とりいそぎ天王寺駅に戻り、地下鉄で梅田に移動します。

帰りは東海道昼特急

昼食をとっている時間が無かったので、バスの車内で食べる弁当などを駅構内の売店で購入して東京行きの「東海道昼特急」に乗車します。東名高速をひた走りで約8時間、東京に着くと真っ暗でした。(詳細は次ページに。)
今回はフリーきっぷを最大限活用しようとして欲張って日程を組んだため、本当に忙しい旅行になってしまいました。(苦笑)

続き(感想、宿泊、交通)→

Back to Top NaraNoia


飛鳥資料館 >> あすか会議室 >> ディレクトリーサービス
NaraNoia TOP | Travel TOP
natter@asukanet.gr.jp